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“舶来もの”の紅茶の魅力を伝え、
時代を超えて存在感を発揮。

サー・トーマス・リプトン ティーハウス 四条店

紅茶党の少ない時代に三条、四条にティーハウスを展開

古い洋館の面影を残した四条通沿いの窓。おなじみの紅茶缶などがそこかしこに飾られ、四条の憩いの空間として長年愛されている。く京都に住んでいる人も、久しぶりに京都に帰ってきた人も、四条寺町角にある“リプトン”を目にしたとき、ふと懐かしい思いに浸されることはないでしょうか。このお店の起源は昭和に遡り、京都を代表する繁華街へと発展していく四条の姿をじっと見つめてきました。

「サー・トーマス・リプトン ティーハウス 四条店」を含め、現在「ばらの木」「かつくら」ほか飲食店を展開している株式会社フクナガの創業者・福永兵蔵氏は、1930年(昭和5年)、「リプトン本社直轄喫茶部極東支店」として、まず三条にティーショップをオープン。当時のことを伝える資料には、一般市民の間で紅茶を飲む人が非常に少なかったこと、外から店内が透けて見えるというロンドンの喫茶店を模した設計が日本人にはあまりなじみがなかったことがあげられています。また、開店して3年間、女性客はゼロだったそうです。

条寺町に「四条店」がお目見えしたのは、1976年(昭和51年)のこと。それから40年たった2016年10月8日、リニューアルオープンとなりました。紅茶が女性も含めて多くの人々を惹きつけ、“リプトン”が四条のなかで親しまれていった理由として、紅茶にかける創業者の熱い思いとともに、紅茶だけにこだわらず、洋食やスイーツなど幅広く受け入れられるメニューを提供してきたことがあげられます。

戦争の影響も乗り越え、ファン獲得に力を注ぐ

「ご予算に合わせた予約のコース料理もご用意できますので、お気軽にご相談ください。これからも四条で愛されるお店でありたいですね」と語る店長の川瀧俊敬さん。プトンの歴史をふり返るとき、第二次世界大戦の影も見落とせません。イギリス製品であるリプトン紅茶は敵国の製品であるということで輸入禁止になり、一時的に「大東亜」という戦争にちなんだ店名に変えざるをえない時期もあったそうです。そうして戦後、女性客も次第に増え始め、京都におけるリプトンのネームバリューはぐっと上がっていきました。

れを大きく支えたのが、福永兵蔵氏のラジオ出演だったそうで、彼は「おいしい紅茶の出し方」をラジオで語り、京都の町で紅茶が市民権を得るようになったのです。そして、リプトンは1960年代半ばからロイヤルミルクティーをはじめ、紅茶に合うデザートとして、ロイヤルプリン、ロイヤルシュー、ロイヤルエクレア、ロイヤルショートケーキなど「ロイヤルシリーズ」を売り出して好評を博し、1973年(昭和48年)にはロイヤルプリンが総理大臣賞を受賞。ブームとなったロイヤルミルクティーとともに、リプトンのオリジナルスイーツを味わうのが楽しみだったという青春時代を思い出す方も多いのではないでしょうか。

プトンの人気が定着した時代に、もともと洋館造りだった建物を利用して四条通にオープンしたのが四条店で、当初から紅茶とスイーツに洋食というメニューを打ち出してきました。店長の川瀧俊敬さんによると、「学生さんからファミリー層、年配の方、外国人の方まで幅広い層の方に来ていただいております。四条通の歩道拡幅後、人の通行量が多くなり、お陰様で来客数も増えています」とのこと。そのような変化の後のリニューアルについてお聞きしてみました。

約80席の2階フロアはゆったりとした雰囲気で、活気あふれるキッチン風景も眺められる。モーニング、ランチ、ディナーとフードメニューも豊富で、写真は食べごたえたっぷりのディナーメニュー「牛リブロースステーキ」。

四条の変化をとらえながら、ゆったり感と新メニューに配慮

写真の「紅茶のパフェ」などティーハウスならではのデザートメニューがそろい、ケーキのほか、パンケーキやフレンチトースト、ワッフルも人気。「以前は料理と喫茶を分離させていたのですが、一緒にしたことで効率が良くなり、サービス向上にもつながると思っています。また、お客様にゆっくりして頂けるよう、椅子の背もたれを少し高めにしました」という川瀧さんの言葉で2階フロアを改めて眺めると、石垣をイメージさせる壁面も。デザイナーに依頼したそうで、シックなインテリアになっています。

た、外国のお客様が増えていることに合わせ、ハンバーガーやパスタ、サンドイッチ、サラダなどライト感覚のメニューの見直しが図られました。お料理のメニューは昼と夜に分かれ、軽食だけでなく、しっかり食べたいときにも応えてくれる内容となっています。リプトンは現在、他に三条本店、ポルタ店、京都駅ビル店がありますが、このお店だけで味わうことができ、注文ごとに焼いてくれるワッフルのほか、川瀧さんのイチ押しは、宇治茶の郷・和束で栽培された茶葉を使った数量限定の希少な国産紅茶「みき」と「みおく」。最初は紅茶の風味なのに後味は日本茶という、奥の深い味わいに驚かされます。

ち合わせの場所として利用されることも多く、何十年ぶりかに再会したグループから、「学生時代によう来たわ」とか「ここでバイトしてたことがあるんやで」という会話が聞こえてくることも。リプトンは“昔からある店”としての安心感を保ちながら、次代の四条も見守っていくのではないでしょうか。

サー・トーマス・リプトン
ティーハウス 四条店
京都市下京区寺町通四条上ル奈良物町379
TEL.075-255-3551
【営業時間】10:00~22:00(L.O.21:30)
【休業日】なし ※12月31日のみ休業
【URL】http://www.lipton-teahouse.jp/